ドア内張りやバンパー、アンダーカバー、インパネまわりのクリップが折れたり、なくなったりしたとき、「何を買えばいいか分からない」という方は多いはず。本記事では、よくある症状や原因、正しい品番の調べ方、交換時の注意点までを、クリップ販売店の視点から分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- クリップが折れる主な原因
- 品番の調べ方
- 交換時の注意点
- 購入前に確認すべきこと
よくある症状
内張りが浮くクリップが外れると、内張りが浮いて異音や見た目の原因に。走行中のビビリ音の多くはこれです。
バンパーが固定できない走行中の振動でバンパーが外れやすくなり、危険です。早めの交換が必要です。
アンダーカバーが外れる固定が甘くなると走行中に外れて引きずってしまうことがあります。
取り外し時に爪が折れた無理に外すと爪が破損し、再使用できなくなることがあります。
なぜ内張りクリップは折れる・なくなるのか
内張りクリップは10〜20年の使用を想定していないケースがほとんどです。主な破損・紛失の原因は次の3つです。
- 樹脂の経年劣化 — 紫外線・熱・乾燥により樹脂が硬化・脆化します。特にダッシュボード周りや直射日光が当たる場所で早く進行します。
- 無理な脱着 — 内張り剥がしを使わずにマイナスドライバーでこじると、爪部分に集中荷重がかかり簡単に折れます。冷え切った冬場は特に注意が必要です。
- 再利用の繰り返し — 一度外したクリップは爪が広がり、保持力が低下します。外した拍子に車体側に残ったまま気づかず、「なくなった」状態になることもよくあります。
対処の流れ
現物の形状を確認折れた・残っているクリップの形状やサイズ、色を確認します。
使用箇所を確認どの部位(ドア内張り・バンパー・アンダーカバー等)に使用されているか確認します。
純正品番を調べる車台番号や部位情報から純正品番を調べます。
適合を確認して購入適合車種・年式を確認し、正しい部品を購入します。
応急処置(部品が届くまでのつなぎ)
1. 両面テープで仮固定
内装用の強力両面テープ(車内の高温に耐える自動車用を選択)で内張りを一時的に押さえます。走行中の脱落防止にはなりますが、見栄えと恒久性は劣ります。
2. 汎用クリップでの仮固定
カー用品店で売られている「汎用内張りクリップセット」で近い寸法のものを使う方法です。サイズが完全一致しないため保持力は本来より弱く、あくまで純正品番の部品が届くまでのつなぎとして使います。
品番の調べ方

純正クリップは写真のように形状・サイズが多種多様です。見た目が似ていても穴径や板厚が違うと固定できません。次の3つの方法で正しい品番を特定しましょう。
車台番号で確認する
車検証の車台番号から、メーカーの電子カタログやパーツ検索で純正品番を確認できます。ディーラーの部品窓口でも車台番号を伝えれば教えてもらえます。
例:車台番号は車検証の「車台番号」欄を確認
現物寸法から探す
クリップの寸法(穴径・頭径・全長など)をノギスで計測し、形状カテゴリから探します。トリムクリップの種類と選び方、リテーナー、グロメットのガイドも参考になります。
穴径・頭径・全長・板厚を計測正しい交換手順
必要な工具
- 内張り剥がし(パネルリムーバー) — プラスチック製を必ず使用。金属製は塗装を傷めます
- クリップリムーバー(Y字・U字) — クリップを抜く専用工具
- ラジオペンチ — 残骸除去用
- マスキングテープ — 周辺パネルの保護
交換ステップ
- 折れた残骸をすべて除去 — パネル側の穴に残った破片をラジオペンチで丁寧に取り除きます。残留物があると新品が入りません
- パネル穴の清掃 — 穴の内側の汚れ・古い接着剤をパーツクリーナーで除去
- 新品クリップを内張り側に取り付け — 内張りの受けに確実に装着(向きに注意)
- パネルへ差し込み・押し込み — 均等に押し込み、最後にパチンと音がすればロック完了
- 全クリップの位置を目視確認 — 1箇所でも浮いていると全体が緩みます
交換時の注意点
再使用の可否、穴径、板厚、車台番号の確認が重要です。
クリップは一度外すと爪が広がり、再使用できない場合があります。穴径や板厚が合わないと固定力が弱くなり、走行中に外れる原因になります。必ず車台番号や部位情報をもとに、正しい品番・寸法の部品を選びましょう。
再発防止のコツ
- 内張りを外す前にクリップを新品発注 — 折れる前提で予備を持っておく。1個あたり数十円〜数百円の部品で、作業中断を防げます
- 脱着時はパネル温度を20℃以上に — 冬場は車内を暖めてから作業。樹脂が柔らかくなり破損率が大幅に下がります
- 専用工具を使う — 内張り剥がしの有無で折損率は明確に変わります。1,000円程度の投資で十分
- 2回以上脱着したクリップは新品に交換 — 見た目が無事でも保持力は下がっています
よくある質問
クリップは再使用できますか?
おすすめしません。クリップは弾性で保持力を発揮する部品のため、一度外すと爪が広がり保持力が落ちます。接着剤での補修も本来の保持力は戻らず、走行中に再破損するリスクがあります。
互換品でも大丈夫ですか?
見える部分(化粧キャップ)は互換品でも実用上問題ないことが多いですが、構造保持クリップは純正品番での交換を推奨します。汎用品は板厚許容範囲が広めに設計されているため、純正品と比べて保持力が弱く、再脱落する事例があります。
品番が分からない時はどうすればいいですか?
①現物の寸法(穴径・頭径・全長)を測って形状カテゴリから探す、②車種・年式・部位から絞り込む、③車検証の車台番号を控えてディーラーの部品窓口で確認する、の3つの方法があります。同一箇所のクリップは同時期に劣化しているため、1個折れたら周辺の全数交換が理想です。