フェンダーライナーやアンダーカバーを外す時に登場する「プッシュリベット(プラスチックリベット)」。見た目は似ていても実は2種類の構造があり、外し方が違います。間違った方法で外すと簡単に折れてしまい、最悪の場合パネル穴を広げて再装着できなくなることもあります。この記事では、2種類の見分け方から正しい外し方、再利用の判断基準までまとめます。
目次
プッシュリベットの2タイプを見分ける
まず取り外し前に、どちらのタイプか判別することが最重要です。外側から見える特徴で識別できます。
2ピースタイプ(センターピン押込み型)
- 頭部の中央に小さな円(ピンの頭)が見える
- ピンが約1〜2mm出ている or 周囲と面一
- 押し込むと「カチッ」と手応えがあるタイプ
1ピースタイプ(一体成型型)
- 頭部中央に分割線がなく、一枚の円盤状
- マイナス溝のみで、ピン状の部分がない
- 全体が同じ色・同じ素材で違和感なく成型されている
迷ったらまず頭部中央を軽く押してみてください。わずかに沈むようなら2ピース、びくともしないなら1ピースです。より詳しい構造解説はプッシュリベットの種類と選び方ガイドをご覧ください。
必要な工具
- クリップリムーバー(Y字 or U字) — 1,000円前後。1本持っていれば整備で長く使えます
- マイナスドライバー(小) — 応急用。頻繁に使うなら専用工具推奨
- ラジオペンチ — 抜けたピンを掴む用
- 養生テープ — 周辺パネルの保護
専用のクリップリムーバーを使うのと使わないのとでは、破損率が体感で5倍以上違います。2ピースのセンターピンを抜く作業はリムーバーなしだと非常に難しいため、先に工具を揃えることを強く推奨します。
2ピースタイプの外し方
- センターピンを引き上げる — リムーバーの先端をピン頭部に差し込み、テコの原理で3〜5mm浮かせます。この状態でピンの爪が解放されます
- 本体を引き抜く — ピンを浮かせたまま、リベット本体の外周にリムーバーを差し込んで引き抜きます
- ピンを抜く — 本体が外れたら、ピンも一緒に外れているはずです。残っていればラジオペンチで抜きます
注意点: ピンを完全に抜ききらないこと。抜ききるとピンが紛失しやすく、本体単独では再使用できません。
1ピースタイプの外し方
- 頭部の下にリムーバーを差し込む — 円盤状の頭部とパネル面の隙間にリムーバー先端を入れます
- 均等に引き上げる — 一方向から強く引くと折れやすいので、周囲を少しずつ浮かせるイメージで
- 裏側の爪が抜ける瞬間 — パチッと音がしたら一気に引き抜きます
1ピースは脱着の繰り返しに弱い構造です。無理な角度で引くと爪が折れるため、やや慎重に。折れた場合の救済は難しく、新品交換が基本です。
再利用の可否判断
外したプッシュリベットを再装着して大丈夫か、次のチェックで判断します。
再利用OKの条件(すべて満たす場合)
- 爪・軸に割れ・欠けがない
- 樹脂に白化(白く曇る=ストレス劣化の兆候)がない
- 2ピースの場合、ピンがスムーズに押し込める
- 脱着回数が2回以内
新品交換すべきケース
- 爪の一部でも欠損している
- 樹脂が硬化して柔軟性がない(指で曲げてみて弾性がない)
- 10年以上経過した車両のリベット
- 3回以上脱着している
「見た目は問題ないが保持力が弱い」という判断が難しいケースでは、迷ったら新品交換が結果的に安上がりです。プッシュリベット単価は1個数十円〜200円程度。走行中にアンダーカバーが脱落すると車両損傷・他車迷惑の両リスクがあり、対処コストと割に合いません。
取り付け(再装着)のコツ
- 2ピースの場合はピンを少し引き出した状態(展開前)で本体をパネル穴へ差し込む
- 本体をパネルに対して垂直に押し込む
- 最後にセンターピンを押し込んでロック完了
ピンを押し込む前に本体を斜めに差し込むと、爪が片側にだけ展開して保持力が激減します。必ず垂直を意識してください。
純正プッシュリベットの品番を探す
折れた・紛失したプッシュリベットは、純正品番で同一形状のものを入手するのが確実です。当店では国産全メーカーのプッシュリベットを取り扱っています。